遅くなった。結局、エピローグ無しの尻切れトンボで終わってしまった第2次OG。それじゃあんまりなので、アレクシスだけでも、その後の事を書いておこうかなと…。思ったので、軽いエピローグを書いた。アレシュがその後、どうしたのかが、少しでも他参加者に伝わるといいな。________________________________________「T-LINKオーバードライブ!レーバティン!!」邪神ヴォルクルス(テュポーン)との決戦から半月…。人々が、その偉業により築いた月面の都市。その下層部。今の地球と比べ酷く淀んだ空気だったが、その日のアレシュにはいつになく清々しく感じられた。子供達が食べ散らかした朝食の後片付けを済ませ、廃ビルの様な仮住まいから出てきた所だ。子供達の遊ぶ声の聞こえる空き地の方へ一瞥をくれた後、そちらに背を向け歩き出した。「おう、珍しいなこんな時間に。出かけるのか?」出てきたビルの2階から中年の男が声を掛けてきた。工業用のゴーグルと耳当てで素顔を隠している訝しげな男だ。以前は、かのDCでその手腕をふるった猛者だったらしい。しかし、今は何の酔狂か、身よりのない子供達を集めては、その面倒を見ている。当のアレシュも、今はその酔狂につき合い、ココで暮らしていた。しかし、それも今日までと、心に決めていた。「ああ、いつまでもココで管巻いてると、アイツがうるせーから、そろそろ出てくわ。」そう言いながら、アレシュは子供達と遊ぶ少女を振り返らずに右手で指さす。常々、アレシュはその少女にこう捲し立てられていた。「ココはあなたのピットロードよ。レース中に立ち寄っただけ。いつまでもココに居ちゃいけないわ。だから、速くコースに戻ってね。後から、復帰が遅れたのはピットクルーの所為だなんて、あたしは言われたくないんだから。」少し意地悪く、どこか寂しそうに。アレシュ自身、これ以上は本当に立ち止まっては居られない、そう思い始めていた。胸騒ぎがした。それが何かは、分からない。いや、本当は分かっている。地球圏へ向けられてくる、悪意。純粋な悪意が迫っている。そんな気がする。だから、このままココにいたら、必ず後悔する。それだけは、よく分かっていた。「そうか、今更何も言う事はねぇが、あの子達が悲しむ様な真似だけはするな。」男がアレシュに言い聞かせる様に言う。「ああ。」適当だが、意志のこもった返事を残し、アレシュはその場を後にする。いつ気が付いたのか、その去る背中へ少女の視線が注がれていた。その視線に気が付いたのか、アレシュも頭上へ手を挙げ、振り返らずに軽く手を振る。その手には、「入隊希望」と記された封筒が掴まれていた。
[Root]アレシュ再動!---2002/12/27(金)02:01---皇子