第1次OGinLLK第4話 それぞれの修行CCXの面々はそれぞれの理由で訓練を開始した。仲間を助けられず、自分たちだけ助かってしまったことに対する自責の念からかもしれないし意地やプライドであったり、純粋に己の生き方のためであったりした。レイズは空中の敵とも渡り合えるPTを求めるが、それは直ぐには乗りこなせそうもない粗暴な機体ビルトシュバインだった。レイズはキョウスケと特訓する。キョウスケは右腕にリボルビングステークと呼ばれる特殊な武器…敵に杭を打ち込む…とアサルトブースターを装備したゲシュペンストでそれに答える。変幻に宙を舞うビルトシュバイン、ただ一閃に突き進むゲシュペンスト。勝負は、…一瞬。少年はラ=ギアスに戻り、上司であるイブン大神官に剣の修理を求める。しかし、その老女神官はお前の折れた心が直らぬ限り、剣が現れることはない、と言いある人物への紹介状を書く。その人物とはラ=ギアス最強の魔装機乗りの一人、魔装機神グランヴェールを駆る男、ホァン=ヤンロンであった。彼はある事件で自分が守るべき人物が守れなかったことを悔やみ、山に篭って修行している最中であった。ヤンロンは少年の修行に協力するが、彼の言動は熱く激しく、少年はただ受身になるだけだった。ヤンロンはやむを得ず一つの賭けにでる。少年を生と死の狭間に立たせることで、無我夢中の力を引き出すことに賭けた。 グランヴェールの放つ超高熱火球弾カロリックスマッシュがガディフォールに迫る。生き延びようとする少年の心にガディフォールの守護精霊が力を貸し、現れた一振りの剣が死を呼ぶ火球を切り裂き、少年は生き延びる。新たな剣バニティリッパーを手に入れて。ビクトルはフォールの伝を頼り、ガーリオンを超える機体の存在を知る。その機体の名はアルトヴァルシオン。DC総帥ビアンの駆るヴァルシオンのテストベッドだが、リミッターがついておらず、ただ飛行するだけでパイロットをミンチにする曰く付きの機体だった。それでもビクトルはその力を必要とした。ビクトルがかつて助けられなかった女性と、ギリギリで助けたその子の未来のためにも、これからの戦いは決して負けてはいけないとわかっていたから、ビアンが未来のためにアースクレイドルに隠したその機体を必要としていたのだった。しかし、アースクレイドで一人の武人が彼らの前に立ち塞がる。その男の名はゼンガー=ゾンボルト。グルンガスト零式のテスト中のその男はどうやらフォールが協力を求めた知り合いの一人でもあるらしい。フォールがアルトヴァルシオンを起動させることに反対し、やってきたその男にビクトルは真摯に訴えた。どうしても、必要なのだと。不器用な自分が少しでも未来のための礎になるには。その言葉に心を動かされたゼンガーはグルンガストに零式斬艦刀を水平に構えさせ、その上に降り立つ。そして、ビクトルに言い放つ。覚悟を見せて見ろ、と。フォールの静止も聞かず、躊躇なくそこへと上がるビクトル。二人の男の信念は拳に宿り、互いへと叩きこまれる。 そして先に膝をついたのは…。 少女は夢を見ていた。ゴポゴポと泡が立てる音が耳元で聞こえる。意識は覚醒と酩酊を繰り返し、何が夢で何が現かの区別はとうに消えた。確かなのは眼前に立つグルンガスト弐式だけ。 その横に佇む青ざめた龍と、目の前に立つ人間には気付くことはなかった。 そこはとても寒い場所。 そこはとても悲しい場所。 彼女は、悪夢を見ている
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