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TITLE:OGCON2プレイログフェイズ6
AUTOR:団長
DATE:2004/01/01(木)01:37

団長です。
あけましておめでとう御座います。
年明け一発目は、ノルマの解消で御座います(笑

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 崩れ去るビルトティーゲルとビルトドラッケンをあとに、
アーヤスクとスズネの乗ったパーソナルファイターは虚空に穿たれた穴の中に消え去った。

パーソナルファイターのコックピットで目覚めたアーヤスクは、
風防の外の景色が見慣れないものであることに気づく。
パーソナルファイターは岩壁に突っ込んでいたが、怪我はなく不思議と気持ちも良かった。
躊躇もなく風防を空け、草原に降り立つ。
周囲は草原で、吹き抜ける風はどこまでも透き通っている。
空は白く、それでいて不思議な明るさを保ち、薄くかかった霧が遠景を霞ませる。
少しはなれたところにはもう一機のパーソナルファイターがあり、
そちらではスズネが目覚めていた。
スズネは周囲の様子に戸惑い、大気組成のチェックを試みていたが、
アーヤスクは仔細に構わずコックピットから飛び降り、
周囲を見渡し、気持ちよさそうに深呼吸までする始末。
慌ててスズネも外へと出る。

スズネが久しぶりに見たアーヤスクの顔は不思議と晴れ晴れとしていた。
何事もなかったかのようにスズネに呼びかけるアーヤスクに、
彼女は戸惑いを隠せない。
そんなスズネには構わず、周囲が気になってしょうがないアーヤスクは草原の探索を始める。
霧はいっそう濃くなり、しかし吹き抜ける風はその動きを止めない。
ふと気がつくと二人はばらばらになっていた。

アーヤスクは目の前に、小さな丘があることに気づく。
その丘の上に立つモノは背に翼を背負った巨大な虎だった。
その威容は絶対的な存在感を漂わせ、
自分の足元に現れた矮小なる存在に自らの領域を踏み荒らした訳を問う。
その問いにアーヤスクは恐れずに答えた。
ここは何処だか分からないが、帰る道を探しているだけであること、
己が選択した路を進むために、為すべき事を為す為の路を探していることを告げる。
『嵐の暴君』と名乗ったソレは、この場は試練の場であることを告げ、
アーヤスクに望むならば試練を、そうでないのならばもと来た路を帰るように言う。
アーヤスクに迷いはなかった。
そして彼は試練に挑んだ。

その頃スズネは『泉の貴婦人』と名乗る存在の前に居た。
スズネはそこで彼女の兄、シゲヤ=クズナもこの場に来たことを知る。
兄の行方に少なからず彼女の心は揺れるが、
それでも彼女は危なっかしいアーヤスクを護るため、試練に挑むことを望む。

二人の周囲は、石造りの神殿のような部屋へと切り替わる。
それこそが試練の間であり、
アーヤスクの前に風をまとった翼ある虎が、
スズネの前に水で出来た竜が現れる。
アーヤスクはスズネの前に立ち、竜虎双方を見据える。
アーヤスクは手を出さない。何故なら彼が望んだのは護ることだから。
まず動いたのは風を纏いし翼ある白虎。しかし後の先を取るのはアーヤスク。
虎に向って裂帛の気合と共に跳び蹴りを加える。
だが、蹴りは虎へとは届かない。不可視の力場がアーヤスクを押し留める。
その間に蒼き竜が激流をスズネへと放射する。
アーヤスクはスズネをかばい、激流に飛び込み、気合一閃それを吹き飛ばす。
そこに虎が追撃の爪を繰りだすが、アーヤスクは両手に現れた短剣を十字に構えて受け止める。
受け止めた二本の短剣はアーヤスクの咆哮に応える様に一体化し、伸張する。
そして一振りの剣となったそれを構えなおし、白き虎の脇を走り抜ける。
刹那の沈黙。
そして、虎の形が解け、風へと溶け込む白虎。アーヤスクはその虎に言う。
「君は、僕の迷いだったね。そして、僕の悲しみでも、僕の恐怖でもあったよね。
 だから乗り越えなくっちゃいけなかったんだ。
 でも切り捨てては行かないよ。一緒に行こう。今の僕を、さらに乗り越えるために」
解けかけた風はアーヤスクへと吸い込まれる。
そして彼はスズネを振り返り、呼びかける。共に行こうと。

それを見届けたかのように、次は蒼き竜が動く。
第二撃目の激流はさらに激しさを増している。
いつの間にか現れた水の弓を手にしたスズネは、つがえた矢を放つ。
矢は激流へと突き進み、正面から衝突する。
一瞬の均衡。
そして、矢は激流を裂き、竜の口へと吸い込まれる。
口から入った矢は後頭部へと抜け、竜は形を失う。

それぞれの迷いの具現を打ち破った二人が神殿を抜けると、
そこには二体のPTがあった。
『泉の貴婦人』の話ではかつてこの場に訪れた者が残していったものであると言う。
それは、以前にセレクテェッド・チルドレンが使っていた
ビルトティーゲルとビルトドラッケンのオリジナルだった。
二人はこの場にやって来たときに乗っていたパーソナルファイターに乗り込み、
それぞれの機体のオリジナルにドッキングする。
風と水を纏った機械の竜虎は再び『門』を形成する。
目指すは地上、仲間の待つ、そして止めるべき悪意の待つ、その場所へ。
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