Revival Devil 〜邪神復活〜 02. Wriggle stratagem. 〜蠢く策謀〜リュウ=サカマキ:「ここは…学校…だと?」混濁した意識が回復したリュウは、自分がかつて通っていた高校のプールにいる事に気付いた。リュウが乗っていた武装機は力を失い、まるで彫像のようになり、半身をプールに鎮めていた。周囲には既に野次馬が集まっており、今まさにスペシャルズと呼ばれる特殊機関が武装機を接収し様としていた。既に、アルヴィスのデリバリオンは接収され、アルヴィスはスペシャルズに囚われていた。ゼナルスは、前回の戦いで頭部を破壊された愛機レーベリオンを破棄し、周囲に潜伏していた。そして、相棒であるエルシオンを失ったソウマは一人、転がる様に学校の裏山に逃れ、さ迷っていた。エナ=スプリングフィールド:「大丈夫よ、エナにおまかせってね」スペシャルズは、地球連邦政府直属の執行部隊である。通常の軍隊とは異なる理念と指揮系統を持つ部隊だ。それは額面上は軍隊ではなく、特殊法人であり、執行機関であり、一種の警察組織である。もっとも、実際は完全なる軍事組織であり、連邦軍とある種の緊張関係にあった。このため地球圏では地球連邦軍、コロニー統合軍、スペシャルズという三つの組織が完全に独立に動いていた。さらに、これ以外に旧DCの残党、マオ社の残党、ラ=ギアスからの使者、アイゼンシュタッド財団がいた。これ以外にも、火星ではいずれの組織にも属さない銀河義勇軍と自称する集団がいた。また、人知れずに地球を守るべく、ガンエデンに集うバラルと称する謎の組織までもがいた。しかし、この混乱した状態は、非常に重大な問題を孕んでいた。地球を襲う衝撃波を防ぐエネルギーフィールドを作り出す人類史上最大の作戦、イージス計画が実現。それを阻む問題こそが、組織の乱立だった。それぞれの組織は確かに地球防衛を目的としているが、理念の違いが力の結集を阻む要因となった。しかも、協力しないのみならず、お互いの脚を引き合うと言う最悪の展開を見せていた。乱立組織の中でも少数ながら最強の力を持つスペシャルズは財界と政界を背景に他組織の吸収を図っていた。それを覇権的と呼ぶのは簡単だが、確かに何処かが力を束ねねばならないことも確かだった。そして、悠長な会議をしている時間が無いことも。衝撃波の到着は既に2ヶ月後に迫っていた。しかし、各組織の末端の殆どはそう言った政治的な話を解しているわけではなかった。例えば、スペシャルズ内部に入りこんでいた幾人かの内偵などもその好例であった。エナ=スプリングフィールドはある女性の護衛を言い付かっていた。アルヴィス=アイゼンシュタッド:「いいわよ、貴方の話を聞いてあげる。…エースのジョー、さん?」アルヴィスはアイゼンシュタッド財団総帥アルフレート=アイゼンシュタッドの妹であった。すなわち、スペシャルズがアイゼンシュタッド財団に圧力をかける絶好の人質であると言えた。この時、アルヴィスは重傷を負っていた。前回の戦闘でコクピットに被弾していたのだ。スペシャルズの衛生兵、アエリア=クリスティンはアルヴィスの介護の任を受けていた。目を覚ましたアルヴィスとアエリアは、簡単な飲み物を飲みながら、比較的落ちついた会話を交わしていた。落ちついた会話は喧しい声に破られた。けたたましいその男は、お茶らけた口調でエースのジョーと名乗った。唖然とするアエリアに対し、アルヴィスは落ちついた様子でその男の事をエースのジョーと呼んだ。恐らくは、そう呼ばれること期待していなかったのだろう、その男は怯んだ様子でアルヴィスに対した。アルヴィスは心の中でほくそえんだ。この男は、操縦しやすい、と。ソウマ=シオン:「おのれ、亡者どもが!迷ってでたかっ!!」雑木林の中で身を休めるソウマは、おぞましい殺気を感じとり、跳ね起きた。周囲には誰もいない、いや、いないはずなのに確かに壮絶な殺気が満ち満ちていた。背後に感じた気配に、恐怖のまま刃を振るうソウマ。彼の持つ雨水、峰月の二刀が影を切り裂いた。切り裂かれた影は三つに分断されたが、動きを止める気配は無い。それは襤褸切れを纏った人骨だった。初めて出会う怪異に驚愕するソウマ。しかし、その怪異が前回戦った異形と同根であることを直感した。もしも、前回の異形と同根ならば…その者達はアルヴィスを狙うはず、そう考えたソウマは走り出した。怪異が集まる先こそが、アルヴィスがいる場所だった。しかし、ソウマの足元が突如として盛りあがる。新たな異形…土で出来た邪悪な巨人がその姿を現した。リュウ=サカマキ:「我が元に出でよ!トォールフィィィール!!」その頃、アルヴィスの収容された病院の周囲でも異常が起きていた。次々と現われる死霊装兵。アルヴィスに迫る死霊装兵。アエリアは彼女を庇う様に立つが、襤褸切れを纏った人骨は彼女らに迫る。死霊装兵とはサーヴァ=ヴォルクルスと人間の残留思念が物質空間に影響を与えるまでに強まったものだ。リュウは前回の異形が、サーヴァ=ヴォルクルスと呼ばれる地底世界ラ=ギアスの存在であることを知っていた。それどころか、彼は召還された地底世界でラ=ギアスでまさに邪神ヴォルクルスと戦っていたのだ。だが、彼はヴォルクルスが一体、何であるのかは知らなかった。それでも、それを倒す術は知っていた。使いなれたプールから強力な水の精霊力を感じ、それに呼びかけた。十分に精霊力を取り戻した水の魔装機トールフィールが現われ、周囲の死霊装兵を薙ぎ払った。アルヴィスの危機を救ったリュウだが、彼にさらなる危機が迫る。土巨人、デモンゴーレムが多数表れたのだ。アルヴィスを護るたった一機のトールフィールに、十体を超える邪神の僕が襲いかかってきた。マイルズ:「ゼナルス!助けに来たぜッ!!」今まさにデモンゴーレムがトールフィールに襲いかかろうとしたまさにその時、高速輸送船が到着した。アイゼンシュタッドからの増援を引きつれたマイルズだった。彼はゼナルス用に新型兵器を運んできた。新兵器の名前はバンゲリオン、特殊な装備「聖遺骸ユニット」を装備した対思念体専用の超兵器だった。バンゲリオンに乗りこむゼナルス、またアルヴィスにも新兵器ディアーヴォラを届ける。マイルズ自身はアンデッドメンバーズの司令官ヒューメルからの新たな使命の為にレーベリオンに乗りこんだ。新たな使命とは、武装機の拿捕であった。レーベリオンが武装機に手をかけたその時、武装機の目が光った。吹き飛ぶマイルズのレーベリオン。武装機は、スクラップ寸前のその身体をゆっくりと立ち上げた。ソウマ=シオン:「…エルシオンを失った俺に戦う資格があるとも思えんが、それでも…俺は…」武装機に乗りこんでいたのはシオン=ソウマだった。彼は相棒のエルシオンを失った痛手も癒えてはいなかった。しかし、それでも彼は黙ってみていることは出来なかったのだ。彼は、武装機に賭けた。武装機は特殊な資格を持ったものにしか使えない機体だったが、ソウマにその資格は無かった。そのため、武装機に乗りこんだソウマは精神は凄まじい負荷を受けていた。魔装機に慣れたリュウですら苦しい重圧に苦しむソウマ。しかし、ソウマの意志はそれを跳ね返した。整備もろくにされていない武装機には武装が一切装備されていなかった。しかし、彼は徒手空拳で戦いを挑んだ。エースのジョー:「ふっふっふ、この時を待っていたぞ」トールフィールと武装機、バンゲリオン、ディアーヴォラの活躍でヴォルクルスの手下は片付けた。しかし、疲弊した彼らにスペシャルズの部隊が降伏勧告する。彼らは漁夫を乗りを狙っていたのだ。その部隊を率いるのはエースのジョーであった。アンデッドメンバーズと同様に彼らも武装機を狙っていた。彼らが武装機を狙う理由は、武装機の動力機関だった。武装機の生命力を動力に変換するシステムが鍵であった。一行は、マイルズの乗る高速輸送船を利用し、なんとかその場を脱出することに成功する。輸送船にはミレナ=リナ博士が乗っており、強行突破をかけてくれたのだった。ミレナはかつての知人、ヨシュアが待つ場所に船を進めた。…輸送船の中では、傷付き、疲れ切ったソウマとアルヴィスが泥の様に眠っていた。しかし、これから先、彼らには、さらに苛烈な運命が待ち受けているのだった…。
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