ダイジェスト版(あとで綺麗に直し、台詞を加えます)「Revival Devil」=邪神復活 06. Anti devil bomb. 「降魔弾奪取」 降魔弾。それは電子に起因する原子核反応だけでなく、重力子、霊子に起因する反応を引き起こす超破壊兵器である。質量を全てエネルギーに転化する対消滅には劣るが、反物質より扱いが容易である点が兵器としての利点である。この超破壊兵器は約1,500年前に活性化した邪神に対抗するために作り出されたものである。開発者はラングラン錬金学協会。オルフィレイス永久機関の機構を爆発力に総て転化する画期的技術だった。しかし、結果は想像を絶していた。邪神の「大半」を討つ事には成功したが、ラ=ギアスのほぼ全土を焦土にかえてしまったのだ。これ以後、神聖ラングラン王国はあらゆる爆発力を押さえこむ調和の結界をラ=ギアス全土に張ると共に、作成した総ての降魔弾を封印した…降魔弾を誰が作り、誰が使ったかを国家ぐるみで隠蔽した上で…。 ヒューメルの狙いは2つあった。一つはラ=ギアスの魔装機技術の入手。これはゾラム=ガッツォーを奪取したことのある彼にとっては至上命題の一つだった。ラ=ギアスの技術が地上のそれに比べて優れた点が多いことは間違いのない事実であり、やがて来る星海からの敵を討つための力として、是が非でも入手する必要があった。 そして、もう一つこそが降魔弾の入手だった。先のラングラン内戦によるシュテドニアスによるアルザール王殺害とマサキのフェイルロード王子殺害により、調和結界の消失した今こそが、降魔弾を入手する絶好の機会だったのだ。降魔弾はヴォルクルス殲滅の実績を持つ超兵器である。宇宙人、星間超生命体にも有効であることは間違いない。 ソウマとアルヴィスは、地上のイースターに戻っていた。そしてセニアの受信する絶望的な通信に聞き入っていた。ガンエデンの障壁によるラ=ギアスと地上の「境界」が消失したことにより、ラ=ギアスとのコンタクトを狙っていた各勢力が一斉にラ=ギアスに侵入する一方、逆にラ=ギアスの企業なども地上へのアプローチを開始しており、結果として各所で武力衝突が起きていた。 それだけではなく、ラ=ギアスに封じられていた邪神群が各所から地上へと出現し、空に向かい謳い始め、それに応えるかのように、次々と地球周辺に星間超生命体が空間跳躍してきている。測らずも世界はかつてDCの総帥ビアン=ゾルダークが言った通りの様相を呈していた。すなわち、「人類に逃げ場、無し」と。 アルヴィスは平静さを失っていた。無理も無かった。今まさに起きている動乱、それは自分の言った言葉に端を発しているのだから。彼女にとって、この動乱で死んでいく人々は自分が殺しているかのような気持ちであった。 リュウはラングランへと戻っていた。彼はヤンロンから、フェイルロードの遺産を受け取っていた。それは魔装機神を超えるべく開発された魔装機、超魔装機であった。水の超魔装機トゥルーノーズは、かつてリュウが奪回しようとした機体その物だった。数奇な縁を感じ、トゥルーノーズに乗りこむ決意をするリュウ。愛機トールフィールの精霊をトゥルーノーズに移す精霊移植作業が始まった。 しかし、自体は彼の決意とは関係無く進んでいった。ヤンロンは遺跡への不法侵入者に気付き、出撃するが、リュウは機体がなく、待機を命ぜられた。しかし、彼はあくまで出撃を望み、ルジャノール改で出撃した。かくして、侵入者はヒューメルだった。そして遺跡にあったのは降魔弾であった。降魔弾を運び出すディストリオンの前に立ち塞がるヤンロンとリュウ。下手に攻撃すると降魔弾が誘爆し、一巻の終わりと言う事態に手が出せない師弟コンビを尻目に離脱し様とするヒューメルの前に立ち塞がるゼナルス。 彼はヒューメルに降魔弾を手放す様に言うが、当然ヒューメルはそれに従うことは無い。ゼナルスは降魔弾は危険だと言うが、ヒューメルは縮退炉すら扱うようになった人類には十二分に扱えると言う。さらにゼナルスは言う、そんな危険な物を使えば地球はただではすまないと。だが、ヒューメルは意にも介さない。「使わなければもっと悲惨になるだけだ」ただ目的を達することを目標とする、ヒューメルの極限の達観と割り切りがゼナルスには癇に障った。ゼナルスは言う。そんな、なにかを犠牲にすることを前提とした戦いはみとめない、と。それは、アンデッドメンバーズの理念自体の否定だった。今度はヒューメルが問う。「ならば、お前はどうやってこの効きから人類を救うというのか?是非、見せてくれ」ゼナルスは答えられなかった。悠然と離脱していくディストリオン。…こうして、降魔弾はアンデッドメンバーズの手に渡った。 それが人類にとって吉と出るか凶と出るかはこの時点ではまだ誰にもわからなかった…。
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