「Revival Devil」=邪神復活 10. Awakening one from the sea. 「海より目覚めし者」艦への侵入を許したグレートホエールでは、侵入者の発見に躍起になっていた。人のいないハズの空間の空気を抜くなどの過激な戦法も取られたが、それでも発見できなかった。相手は余程、潜入になれているのだろうと、顔をしかめるヨシュア。その時、レーダーに邪神の影が移る。それは、今まででも特に大型の三体がインド洋のある一点を目指していることを示していた。同じく、影を魔装機で捉えたリュウが、気になる、行ってみようと言うが、ヨシュアは顔色を変えていた。なぜなら、今まで、レーダーは邪神…星間超生命体の影を捉えることは出来なかったはずなのだから。アルヴィスは、このことから一つの結論を導いていた。侵入者は、もしかすると何らかの目的で自分たちを助けようとしているのかもしれないと。ヨシュアは罠であることを危惧するが、アルヴィスとリュウに圧され、その地点に向うことになる。果たして、そこには真円状の島があった。そこに舞い降り様とする邪神は、今まで彼らが見てきた、ラングラン産のものと様相が少し違っていた。邪神には人間を思わせるパーツがあちこちに存在し、物によっては魔装機の武器を持っているものまでいた。しかし、目の前にいる邪神…星間超生命体はぬるりとしたボディに触手があるだけのシンプルな姿であった。それが何を意味しているのか、彼らにはまだ判らなかった。彼らの前で邪神は、声ならぬ叫びで、この世ならぬ唱を謳う。まるで、何かを称えるように。まるで、何かに呼び掛けるように。しかし、その声は地球上の物質にとっては毒であり魔であった。その異界の振動に触れた水は沸騰し、木々は攀じれ、大地は崩壊した。顕現する異存在は、この世の凡てと根本的に相容れないのかもしれない。一行は、この異存在を討つ為に、出撃する。その異存在はあるだけで、世界を変質させる。その歌であるはずの破壊の律動が一行の機体をずたずたにする。一方、武装機の攻撃も、魔装機の攻撃も、異存在を一時的にしか破壊できない。瞬く間に傷口が修復されていく。それどころか、飛び散った肉片すら動くことを止めはしない。その時、アルヴィスは気付いた。動きを止めない肉片は、徐々に地の底へと潜っていく。地に潜る肉片、真円状の島、それらが意味するものは…戦場で意識を別なことに逸らしたのは致命的だった。共鳴振動はアルヴィスのヒュッケバインの中枢部を破壊せんと焦点を合わせる。アルヴィスのヒュッケバインの中枢部…すなわち、スリサリスクリスタルが悲鳴を上げる。それを護ったのは、凄まじい速度で飛来した銀翼の龍騎兵だった。それに乗るものはアルフレート=アイゼンシュタッドその人だった。愛する妹の為に、月面から馳せ参じたその男の登場が流れを変えた。アルヴィスはアルフレートに言った。この島こそが、これら星間超生命体を呼んでいるのではないかと。その声に応えるように、島自体がゆっくりと上昇し始める。そう、この島そのものが、かつてエンデが戦った敵、星間超生命体だった。殆どの星間超生命体はラ=ギアスに封印されたが、飛来した中で最大の個体はここに眠っていたのだ。その全長は12Kmにおよび、すでに人間が生命体として認識できる大きさではない。しかし、アルフレートは知っていた。この個体は確かに大きめだが、跳びぬけて大きいわけではないことを。…邪神−星間超生命体の中では標準的な個体に過ぎない、という事実を。だからこそ彼は「この作戦」にかけたのだ。人間では衝撃波をやり過ごしても、彼らには勝てないと思ったから。浮上したその巨体のあちこちは風化、劣化し、穴が空いていた。アルフレートは言う。中枢にスリサリスクリスタルを撃ち込むことで彼らの生体信号を狂わせ、休眠させることが出きると。頷くアルヴィス。アルフレートのナビゲートに従い、中枢部へと進んでいく。しかし、場所は敵陣、敵の体内である。床や壁と言わず、天上からまで生え出してくる邪神群。幸いに受肉した彼らには物理攻撃も効くため、リュウの攻撃が敵をなぎ倒し、アルヴィスの血路を開く。魔装機の燃料はパイロットの精神そのものだ。リュウの気力が尽きかけた時、ソウマがカードを切る。 風雷大系、武装合身。邪神の肉壁を破り飛来する雷王機と武装機が一つになり、聳え立つ鋼の巨大武者。ソウマの魂と体を糧として煌く、総てを白き無へと帰する必滅の刃「暁之太刀」が、相手の戦う力を奪うシオンの技が敵を討ち、砕き、路を拓く。そして… …中枢が見えた!!ヒュッケバインのままで、中枢と思しきゼリー質のプールに突撃するアルヴィス。アルフレートの言うとおり、巨大な邪神は次第に活性度を下げ、崩壊しながら再び海の底に沈降しはじめる。しかし、アルヴィスは完全に意識を失い、プールからは上がってこない。見かねたソウマが武雷王の左手をプールにつき入れ、アルヴィスを救おうとする。しかし、プールに腕を尽き入れた瞬間、アルヴィスの全身の毛細血管があちこちで破裂する。プールの受けた衝撃がアルヴィスにフィードバックされているのだった。無理にこれ以上さしこめば、アルヴィスを殺すことになりかねない。逆につき入れた腕をゼリー質が侵食し始める。慌てて引き抜ぬくが、既に武雷王の左ひじから先は「食い尽くされた」後だった。崩壊はいよいよ酷くなり、一行はアルヴィスのもとを離れざるを得なくなる。悔しさに顔をしかめながら脱出する一行。…結局、彼らは水中に投げ出され、危ういところをグレートホエールに救出された。彼らには何が起きたか判らなかった。少なくとも大邪神は一時的に沈静化した。しかし、アルヴィスは彼らの元から消えた。ただ、漠然とアルフレートが嘘は言わなかったが、真実も言わなかったのだろうということしか判らなかった。だが、落ちこんでいる暇はなかった。ソウマは失った武雷王の左腕に賭け、アルヴィスを助けるために仲間を集める旅に出た。リュウは、修行のためソウマと分かれると共に、奪われた降魔弾を追った。そして、ゼナルスは、ヒューメルが何かを護るために何かを犠牲にすることを食いとめるため、彼を追った。ヨシュアとミレナは来るべき終結の時に備え、グレートホエールを修理、改装すべくドラゴンズネストに戻った。一方、アルフレートは自分の行動の結果に満足しつつ、後悔していた。きっとアルヴィスは自分を許さないだろう。それぐらいの事はわかる。しかし、これで間違いなくアルヴィスは生き残るだろう。何故ならもっとも安全なところであると言える、星間超生命体の成体の中枢部にいるのだから。今のままでは衝撃波も防げず、異星人と星間超生命体に蹂躙されるであろう地球圏で生きていくより、よほど生存率が高いところであることは間違いがないのだから。それはあまりにアルヴィスの気持ちを無視した行動だった。それぐらいの事はわかる。そして、そうする以外、彼ができる事はなかったのも確かである。もしも、彼に落ち度があったとすれば、強大な力を持ちながら、決して失いたくない何かをもってしまったと言う事だけであろう…
[Root]第4次OG in LLK Revival Devil-01---2004/02/13(金)21:05---団長
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`---第4次OG in LLK Revival Devil-06(仮)---2004/02/26(木)20:19---団長
`---第4次OG in LLK Revival Devil-07(仮)---2004/02/26(木)21:45---団長
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